課題
腐食
結論
ステンレス鋼は表面の不動態皮膜で守られているが、塩化物イオンや溶接・切削などの加工の影響で孔食などの局部腐食が起きることがある。加工後の酸洗・不動態化処理や使用環境の管理で抑え、アルミニウムでは陽極酸化処理(アルマイト)で耐食性を高める。
症状
- 加工や使用環境によっては、ステンレス鋼で孔食・すきま腐食・応力腐食割れといった局部的な腐食が起きることがある
- 冷却水を使った試験では、水中の炭酸水素イオンが多い条件で、スケールが溶接部に偏ってできたと報告されている
主な原因
- 塩化物イオンなどのハロゲンが不動態皮膜を壊す。孔食の発生には塩化物イオンの存在が必要とされる
- 溶接や切削などの加工、置かれた環境によって本来の耐食性が出ないことがある
- 溶接スケールが多くビード形状が悪い溶接部ほど、腐食が起きやすい
原因の確認方法
- 孔食電位を測定する(高いほど耐孔食性がよい)
- 塩化第二鉄腐食試験で腐食減量を比べる
- X線光電子分光(XPS)で皮膜の組成を分析する
- 使用環境での自然電位と、溶接部の腐食発生電位を比べて腐食の有無を推定する
対策
- 加工後のステンレス鋼を酸で洗浄し、不動態化処理を行う(硝酸処理で耐孔食性が向上した報告がある)
- 冷却水などの塩化物イオン濃度を基準内に管理する
- アルミニウムは陽極酸化処理(アルマイト)で耐食性のある皮膜をつくる
関連技術
- アルマイト(陽極酸化処理) 出典アルミニウム製品を陽極にして電解液の中で電気分解し、表面に酸化皮膜をつくる表面処理。耐食性や耐摩耗性を高めた…
関連材料
- SUS304 出典SUS304は、約18%のクロムと約8%のニッケルを含むオーステナイト系のステンレス鋼(JIS鋼種)で、「18-8ステンレス」…
- アルミニウム(アルミ) 出典アルミニウムは比重が約2.7で、鉄(7.8)や銅(8.9)のおよそ3分の1という軽さを最大の特長とする非鉄金属。日本アル…
出典
- 新潟県工業技術総合研究所 技術トピックス「不動態化処理ステンレス鋼の耐食性挙動」
- ステンレス協会「『ステンレス鋼管は冷却水配管に適さない』に対するステンレス協会の見解」平成14年9月 配管システム普及専門委員会
- 理化学研究所「理研の歴史 アルマイト」
関係の出典
- 関連技術:アルマイト(陽極酸化処理)
- 理化学研究所「理研の歴史 アルマイト」アルマイトはアルミニウムの防錆法として開発され、耐食性の皮膜をつくる
- 関連材料:SUS304
- 新潟県工業技術総合研究所 技術トピックス「不動態化処理ステンレス鋼の耐食性挙動」SUS304を含むステンレス鋼の孔食などの局部腐食と、不動態化処理による耐食性の評価
- 関連材料:アルミニウム(アルミ)
- 理化学研究所「理研の歴史 アルマイト」アルマイトはアルミニウム及び同合金の防錆法として特許出願された
最終確認日: